オオカミの護符
五〇世帯の村から七〇〇〇世帯が住む街へと変貌を遂げた、川崎市宮前区土橋。
長年農業を営んできた著者の実家の古い土蔵で、護符がなにやら語りかけてくる。
護符への素朴な興味は、謎を解く旅となり、いつしかそれは関東甲信の山々へ―。都会の中に今もひっそりと息づく、山岳信仰の神秘の世界に触れる一冊。

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当店に出入りする小原氏。
民俗・芸術・ジャーナリズム、多彩なアンテナを持っている彼から勧められたこの一冊。
普段本など滅多に読まない私が、読むうちにぐいぐいと行きこまれ、
一晩で読み終えた一冊です。
良い本だこれ。心が動いた。
オオカミ信仰云々を軸に、土地の人や生活、信仰や講社を深く堀込んでいく壮大な旅の本です。
映画として作られた物が先で、後に文書かされたらしい作品です。
ここ、ささらプロダクションからです。
普段自転車で走っている多摩丘陵、奥多摩、そして秩父が舞台。
ただ走っているだけでも自転車は楽しいが、
こういう下準備があるとサイクリングは普段とは違った視点から楽しめますね。
数あるオオカミ信仰の山、その中でも関東一円に多数の講社をもち、有名なパワースポットでもある三峰神社。
今回の目的地はここ。
10時に三峰口駅に待ち合わせ。
私ともう一人はちょっと距離を走りたかったので、
7時に飯能を秩父に向け出発。
299号は大きい車が多いのでパス、
名栗を通過し、山伏峠を越えることに。
今まで何度となく通ったこの峠ですが、峠にさしかかった1~2kmいったところに
サイクルステーションが出来ていた。
T倉さんと一緒におそるおそる建物のそばへ。
まだ8時くらいだったので誰も居ないと思ったら、ご主人が出てきて、甘酒とコーヒーを出してくれた。



私は甘酒を頂いたが、美味!
ホットミルクで割ってあって飲みやすい。
この辺りは東京に比べ気温も低く、自転車を乗るには厳しい寒さになってきたが、
旧名栗村でも一番の奥地のこのあたりは飲食店などなにも無いので、助かる。
暖まった。
時間が無いので早々に退散し、
峠を越え、秩父へ。
そして三峰口到着。
既に小原氏とその友人たちが到着済みで、とりあえず駅そばをすすって腹ごしらえ。

その後、秩父鉄道の萌えキャラで記念撮影。
おじさん達のはしゃぎっぷりが微笑ましいですね~w

ここからは大血川沿いを三峰神社へ向かって上っていきます。
このあたりは荒川源流域、大血川もその支流の一つですね。
結果的に1000メーターを少し超えるぐらいまで登るこの林道。
傾斜は緩いです、そんなにきつくありません、
はかっていないけど、平均5パーセントくらい?


途中景観が良いところで、集合写真。
愉快な中年の集いって感じです。
ちなみにこの中の殆どがブルベを趣味にしている方々。
やらないのは私くらい。
ブルベといっても200キロくらいの短いもの、千数百キロのような超長距離のブルベ。
これでもかと山岳コースを盛り込んだ、気違いじみたものまで。
その中でも得手、不得手があるようで、この人達は長距離系。
皆例外なく肉付きが良いです。
普通走行距離を2~300キロ超えると、まともなものをちゃんと食べないと走れない。
走っているうちに内臓が弱って機能しなくなり、食事が出来なくなるのが普通なのですが、
この人たちは、、そこが強い。食べれる。
ブルベの後に逆に体重が増えている場合もあるらしいw
もちろん何を食べるか気を大分遣っているようですが、
例えばスポーツ系の補給食にあるクエン酸は胃にダメージを与えるから、それをやめる、とか。
必要以上の糖分は肝臓に負担を与えるから、適量を把握するとか。
なるほどな~と思った。
ぱっと見は超長距離を走るような人たちには見えませんが。
見えないところに強さの秘密があるんですね。
ちなみに、このうち4人はパリ~ブレスト~パリの1200kmブルベに出るらしい。

峠でテンションの上がった小原氏。


大分標高を上げて、寒いです。。もう一枚上着があったほうが良かったな。
腹巻きとか。

オオカミ?!

途中に寄った寺で、そこで犬に絡まれただけでした。

念願だった三峰神社に着きました。
このあたり有数の観光、パワースポットということもあり、結構な人混み。
写真撮影は禁止なので、記録はありませんが
併設の三峰博物館にもより、観覧する。
明治時代に目撃されたのを最後に絶滅してしまったニホンオオカミの毛皮、
先の本の主題となった護符。その版木だったりとか。
あとは御産立、これはオオカミが山の中でお産をすると、土地の民がその山の頂で穀物を炊きお見舞いをする、
神事というか庶民の行いがあり、その資料だったりとか。
先の本で入ってきた物がこうして実物を目にすると、なかなか、へぇ~、という感じになる。

欲しかった護符。
奥秩父には三峰はもちろんのこと、
無数にオオカミを祀った社があるようで、
その中で両面神社ではプリントではなく、昔ながらの版木で刷った護符が頂けるようで、
それが欲しかったのだが、時間の関係で今回はあきらめることに。

オイヌ様

オイヌ様の膝元だっつーのに狐にでも憑かれてしまったんでしょうか・・

昼食。極度の空腹状態のおじさん達。
写真撮影に手間取っている時間、それがもどかしい様子です。

このあたり名物のわらじカツ丼、うすっぺらい豚肉がカツにされています。
完全にB級グルメだが、なかなか美味。

日が暮れてきました。
暗くなる前に、三峰口までもどりましょう。
冬の空です、あと3度くらい気温が低かったら、雪でも降りそうですね。

ツェッペリン??

下ります!

下は暖かい・・・

三峰口到着!
いや、皆様お疲れさまでした。とても楽しかったです。
またよろしくどうぞ

帰りの電車で缶ビール

秩父には独特の暗いというか、そんな雰囲気があって、
気分によってはちょっと滅入るような感じがすることがある。
そういう小原氏に自分も同感。
それがオオカミや他の神がかりや霊的な物によるものなのか、
または明治以前は寺院周辺や温泉場は治外法権で占められる、ある意味猥雑な場所としての山。
そんなものへの畏れや憧れがそんな気分にさせるのか。
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コメント
秩父の神社には狛犬の代わりに狛狼?が結構ありますね。釜伏峠の神社もそうだったと思います。
三峰も今は神社ですが、修験道は神仏混淆で、どっちかというと明治期までは寺だったと思います。
山伏は一種の軍隊みたいなものだったのではないかなどと考えたりします。謎が多いですね。
Posted by 奥田茂雄 at 2018.11.20 00:35 | edit
奥田さん
>山伏は一種の軍隊
そうかもしれないですね、自警団的な。。
現在は東京などの大都会が文化の中心と捉えられがちですが、それこそ明治以前は都の文化と並列かそれ以外のものとして存在してた、、なんて考えるとちょっと楽しいですね。
Posted by いいずみ at 2018.11.20 13:54 | edit